こだわりの条件から探す

価格
エリア
物件種別
建築構造

HIT 2276

GLOSSARY
不動産用語集
わ行
英数
動産投資でローン審査を通りやすくするために欠かせない準備とは
細田写真2

一般論で予測できないプロパーローンの融資審査

――前回のインタビューで、不動産投資のローンにはアパートローンとプロパーローンの2種類があること、その違いなどをお伺いしました。これらのローンを取り扱っている銀行にはそれぞれ特徴があるのでしょうか。

細田

一般的な傾向として、現在の首都圏でのアパートローンの場合は、スルガ銀行、オリックス銀行、静岡銀行、SBJ銀行、三井住友トラストローン&ファイナンスなどが主要取扱行で、金融機関ごとに独自の明確な基準を設けているので、各行の融資条件を満たせばほぼ借りられるといえます。


対してプロパーローンの場合は都市銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合と、取扱行がきわめて多彩です。

貸出期間は物件の法定耐用年数と築年数との兼ね合いで物件残存稼働年数を弾き出し、残存稼働年数内で貸出期間を定めている銀行が多いといえます。金利と貸出額については銀行ごとに対応がバラバラですね。


例えば、ネットなどの不動産投資解説記事の中にはプロパーローンを借り入れるポイントとして「メインバンクとしての取引実績がある銀行に申し込むのが確実。すでに住宅ローンの返済実績があれば銀行からの信用につながり、融資が受けやすくなる」「メインバンクや住宅ローンの返済実績がない場合は、不動産業者やハウスメーカーを経由して融資を申し込めば、個人で申し込む場合に比べて融資を受けやすくなる」などと記述されていたりします。

――実際はどうなのでしょうか。
細田

一般論としてはそれで正解なのでしょうが、現実論で申し上げると、個人投資家様が独力でプロパーローンを借り入れるのはそれほど容易ではありません。


というのは、プロパーローンはアパートローンのようなパッケージ型融資と異なり、すべての融資案件を個別に審査するので、一般論で予測できない部分が多いからです。

個人投資家様の属性と賃貸マンション経営の実績はもとより、事業の安全性と収益性、土地と建物の担保評価など融資審査のポイントは多岐にわたり、しかもそれらのポイントを総合的に評価し、融資可否の判断をするからです。


プロパーローンにおける銀行側の関心事は「融資した資金を、金利を含め着実に回収できるか」に尽きるといえます。このため、プロパーローンの審査基準は企業秘密的な面があり、外部には一切公表しません。

――どんな書類提出を要求されるか予測ができない?
細田

基本的に提出する書類は、確定申告書や決算書、既存借入返済予定表、保有金融資産の明細など、どの金融機関も同じです。

しかし、PL(損益計算書)とBS(貸借対照表)の健全性を証明すれば審査が通りやすいといわれていますが、これとて銀行ごとにPL・BSの健全性に対する内部評価基準が異なりますので、個人投資家様が独力で銀行の審査に対応するのは非常に難しいです。これはプロパーローンの借入には明確な審査基準がないからなのです。

主要行約30行との提携でローン審査基準を把握

――全国で何十行もの銀行が不動産投資向けのプロパーローンを実行しており、そこには自ずと傾向的なものは見られると思うのですが、これについてはいかがでしょうか?
細田

おっしゃる通り、傾向的なものなら見られます。例えば事業の安全性重視ですね。

――銀行はそれをどんな方法で評価するのでしょうか。
細田

先にお話ししたPLとBSの精査で評価するといわれています。

例えばPLの場合は、一般にそれを「所得金額>青色申告特別控除額>専従者給与額>減価償却費>その他の金額」の順に精査するといわれています。その上で「役員(事業主)報酬+減価償却費+当期純利益」がどうなっているのかを確認します。


PLは単年度の黒字・赤字を表す会計書類なので、この確認をすれば「直近の単年度が黒字だったか赤字だったか」を銀行は判断できるわけです。


銀行はまた、PLとBSから「売掛金の中に不良債権はないか」、「空室率は適正水準か」、「修繕積立金などの繰延資産はどれぐらいか」なども精査すると思われます。

――こうした徹底的な精査とそれによる評価の目的は、やはり返済原資の洗い出しですか。
細田

おっしゃる通りだと思います。要するに審査基準の傾向としては、融資リスクの有無と返済原資の有無の2つが明確に見られるといえそうです。

――そうなると、個人投資家がこの2つを独力で証明するのは難しく、プロパーローンを確実に貸してくれる銀行を見つけるのは容易ではありませんね。やはり組織的な銀行対応ができる御社のような専門サービス会社の利用が不可欠な気がします。プロパーローンの利用に関して、御社はどのようなサービスを提供されているのでしょうか。
細田

非公開とはいえ、プロパーローンにおける物件の評価基準は、積算評価か収益還元法評価か、あるいはこの2つのミックスに集約できます。


そこで当社は銀行ごとにこの基本的な審査基準を把握することで、審査に通る確率を高めています。

具体的には当社は都市銀行をはじめ約30行の主要行と取引関係を築いており、取引携銀行ごとに個人投資家様や投資物件に対してどのような内部評価基準を持っているため、その内部審査規定がおおよそどのようなものかの概略を把握できています。


不動産投資サービス会社の大半は「審査が通ったか、通らなかったか」の結果判断で終わっているのが通常です。

しかし、当社では「なぜ審査が通る場合と通らない場合があるのか」について、当社がお手伝いさせて頂いた案件ごとに銀行から綿密なヒアリングを行い、その結果をデータベースとして蓄積してきました。このデータベースを分析することで銀行ごとのおおよその内部評価基準や内部審査規定の概略を把握しているわけです。


またデータベースも、新しい案件が発生する度に銀行へヒアリングを行い、これを逐次更新しています。この成果を基に個人投資家様の個別案件ごとに一番適した銀行を選び出すことで、審査に通る確率を高めている次第です。

優良物件選定からローン審査までワンストップで会員をサポート

――では御社の「OWNER'S会員」になると、プロパーローンの利用に関してどのようなサポートを受けられるのでしょうか。
細田

流れ的には現状把握、投資方針の共有、目標共有、課題設定、物件選定、物件鑑定、取引銀行へのローン申込の7ステップでサポートさせていただいています。

――現状把握から課題設定までのステップは面談ですね。
細田

当社は不動産投資で重要なことは「資産を増やしてゆくまでの道筋を描くこと」だと考えており、そのプロセスを会員様と共有するのが当社のサービスだと考えています。


不動産投資に基づく資産形成は会員様の価値観、目的、目標などにより大きく異なってきます。

例えば、サラリーマンが30歳頃から投資を始め、定年退職までコツコツと投資を継続して第二の人生に向けた資産形成を図る場合と、投資開始から10年程度で資産形成を図る場合とでは物件選定、必要自己資本、投資規模、売却タイミングなどすべての面で方法が違います。


このため、当社では現状把握ステップで会員様の投資目的と目標、会員様の属性などを聞き取り、それを基に会員様と当社の間で投資方針と目標の共有を行います。そうすると、会員様の現状と投資目的・目標の間にどんなギャップがあるのかが明らかになります。


そこで今度は会員様の価値観と目的に対する不動産投資のリスク、現実的にできることとできないことなどを分析し、そのギャップを埋めるためには何をしなければならないのか、何が必要なのかの課題を設定し、それを会員様と当社の間で共有します。


課題の設定と共有ができれば、目標達成のための物件選びの方向性が明らかになります。これが明らかになると、その物件に適したプロパーローンを提供してくれる銀行も絞り込めます。

――この段階で審査に通る確率が高い銀行が具体的に浮かび上がってくるわけですね。そして物件選定ですね。物件はすぐに見つかるのですか。
細田

いいえ。現状把握から課題設定までの面談段階で、会員様の資産形成に適した優良物件情報がすぐ見つかるのはまれです。

ですから、ご面談終了後は優良物件情報を見つけるまで、会員様には待機していただくことになります。

――その待機期間中に御社はどんなことをされるのですか。
細田
銀行、公認会計士・税理士、弁護士、不動産会社などから成る当社独自の物件情報ネットワークにより、優良物件をピンポイントで探し出します。 次に当社の「アセットマネジメントチーム」が探し出した物件の投資効率、安全指標、土地・建物分析、エリアマーケット分析などの精査を行い、当該物件の安全度を鑑定します。鑑定結果が良ければ、それを「賃貸経営鑑定分析書」にまとめます。 これは銀行の物件査定より詳しい鑑定分析書で、「この物件なら安心して融資できる」と、今では取引銀行が当社会員様の融資審査をする際の重要書類の1つになっています。この鑑定分析書を添えて取引銀行へローン申込をするという流れになります。
――最後のローン申込ステップは、プロパーローンを借りるための銀行交渉も伴うと思うのですが、こちらは会員が自分で行うのですか。
細田

いえ、そうではありません。銀行の融資担当者に当社へ来てもらい、会員様同席の場で、その会員様担当の当社コンサルタントがローン申込、銀行の融資担当者との面談、銀行からの要求書類作成・提出などローン契約に関するすべてについて対応します。

――なぜそこまでされるのですか。
細田

プロパーローンの利用に関しては会員様の大半が主要取引銀行が定まっておらず、融資取引に不慣れです。銀行の融資担当者も不動産投資に詳しいとは限りません。

したがって、当事者同士でコミュニケーションすると片や説明不足、片や理解不足になるケースが往々にしてあり、これが「審査に通らない」原因になることもあります。

そうしたコミュニケーションギャップを未然に防ぐ意味もあり、当社が中立的立場で対応させていただいているのです。


――本日も貴重なお話、ありがとうございました。


この用語と関係のある不動産用語