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GLOSSARY
不動産用語集
わ行
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デューデリジェンス

デューデリジェンスとは「Due (当然の)」と「Diligence(努力)」を組み合わせた言葉で、投資をする際に、リターンとリスクを精査する作業のことです。


不動産投資では、投資対象のマンションやアパートに「瑕疵(欠陥)」が存在することがあります。新築ならば瑕疵担保責任 の対象となるため、不具合があった場合、買主が一定期間のうちに申告すれば売主に対して修理費や損害賠償等を請求できます。場合によっては取引自体を無効にすることも可能です。ただし、中古物件では特約で瑕疵担保責任が免除されているケースが多く、購入後、トラブルに発展することが少なくありませんでした。


日本では通常、売買契約締結前に仲介業者が調査して、買主に対して物件の状態などを解説します。しかし、仲介業者は不動産売買のプロであって、調査のプロではありません。実際、瑕疵の見落としも多く、また担当者からの説明が不十分なこともありました。


そこで近年、これらの不動産リスクを回避するために、アメリカ式のデューデリジェンス、つまり自己負担による自主的な調査を行う買主が増えています。投資対象によって調査内容は異なりますが、不動産投資では以下の「3つの調査」を行うのが一般的です


不動産投資における「3つの調査」

(1)物理的調査

不動産投資におけるデューデリジェンスのなかで、もっとも重要なものです。不動産は外部からではわからない欠陥が多いことから、専門知識を持つ有資格者または専門会社に調査を依頼します。調査結果の「エンジニアリングレポート」は経済調査をする際、重要な資料となります。今後の投資方針を決める大切なものなので、信用と実績のある企業に依頼するようにしてください。 具体的な物理的調査としては、土壌汚染の有無、アスベストなどの有害物質の使用状況、地震リスク、建物の耐震性能、建築法規に関する遵法性、境界確定状況、短期・長期修繕費の見積もりなどが挙げられます。


(2)経済的調査

投資物件に掲載されている収入や利回りなどはあくまで目安です。状況は刻一刻と変わるものであって、その数値が常に正しいとは限りません。物件の掲載時よりも利便性が高まっていれば、収益性がさらに上がっている可能性があります。逆に環境が悪くなっていれば家賃を下げる必要もあるわけです。

このように不動産業者でもなかなか把握できない最新の市場やトレンドについて、公認会計士や不動産鑑定士 などに調査してもらう必要があります。具体的な経済的調査としては、不動産市場動向・地域特性要因・立地特性、テナントの属性・入居目的・信用情報・支払い状況、物件稼働率の推移・適正賃料・テナント誘致の競争力の有無、将来の売却時の見込み価格などが挙げられます。


(3)法的調査

法的な問題は「目では見えているのにわからない」ことがあるので厄介です。例えば境界線の問題があります。購入したときは自由に使える土地だと思っていたのに、実は売主が勝手に使っていただけで、隣の土地だったという事例も少なくありません。

また物件が違法建築であるケースです。建て直しの際にサイズが一回り小さくなったり、売却をするときに評価額が下がったりする恐れがあります。中古物件のなかには、建築法の改正によって不適格になってしまった「既存不適格建築物」も多いので、注意してください。

このようなリスクを避けるためにも、弁護士や不動産鑑定士など、法律の専門家に調査してもらう必要があります。具体的な法的調査としては、売主が対象物件を処分する権利の有無、信託契約や借地契約の内容、テナントとの賃貸借契約内容、対象物件に関する係争などが挙げられます。


デューデリジェンスは不動産投資に必要不可欠

冒頭でも触れたように、日本では新築物件を購入する際、買主側が有利になっています。ただし、中古物件においてはこの限りではありません。なぜなら中古マンションやアパートには瑕疵があるのが普通だからです。契約によって「瑕疵が見つかっても補償しない」などの記述があった場合、修理費は当然自己負担になってしまいます。


これだけのデューデリジェンスを投資家がみずから行うのはいうまでもなく不可能です。したがって不動産投資顧問会社、弁護士、公認会計士、司法書士、行政書士、土地家屋調査士 、不動産鑑定士などさまざまな専門家に依頼することになります。費用は別途必要になってしまいますが、資産を守るためには必要不可欠です。


デューデリジェンスは「当然なされるべき努力」と訳されるように、これは努力であって義務ではありません。しかし、後でトラブルにならないための「保険」として行うことをお勧めします。


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