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GLOSSARY
不動産用語集
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変動金利

アパートローン(不動産投資ローン) は「固定金利」と「変動金利」に大別することができます。

固定金利(全期間固定金利型)とは、基本的に金利がずっと変わらないプランのことです。将来的に金利が変動した場合でも、利率はローンを組んだときのままとなります。借りた時点で返済までの支払総額がすべて計算できるので、安定して償却したい場合に最適です。

一方、変動金利とは、経済状況に応じて利率の見直しが行われるプランです。市場金利が下がれば利率も下がるので負担が軽くなりますが、逆に市場金利が上がれば利率も上がります。最終的な支払額がいくらになるかは、最後の利率が決まるまで分かりません。


このように、将来的に金利が上昇すると考えられる場合は「固定金利」、逆に下がると考えられるときは「変動金利」を選ぶというのが住宅ローンにおける基本的な考えです。


変動金利の基準

変動金利は金融機関が「短期プライムレート(通称:短プラ) 」を基準に見直しを行うことになっています。


短期プライムレートとは、本来は「最高条件の短期融資金利(最低金利)」という意味ですが、実質的には金融機関同士が資金を貸し借りする際の「無担保コールレート」を参考に定められています。そして、無担保コールレートは日銀が金融調節の操作目標に採用しているため、結果として、「変動金利は日銀の政策金利に大きく影響される」といえます。


変動金利のリスク

同じ条件でローンを組む場合、基本的に変動利率のほうが金利は安くなります。金融機関の営業マンも変動利率を勧めてくるケースがほとんどです。確かに金利が安いというのは魅力ですが、それはあくまでも金利がほとんど変わらなかった場合か、景気が今よりも悪くなって金利が引き下げられた場合です。変動金利が怖いのは、将来的に金利が上がってしまったときです。具体的にはどのようなリスクがあるのでしょうか。


■返済額が増える
変動金利は金利が上がるにつれて返済額が増えてしまいます。ほとんどの銀行では金利が大幅に上昇したときに備えて「返済額の改定は5年ごと」「新しい返済額は前回の返済金額の1.25倍まで」というセーフティーネットを設けていますが、これは返済額の話です。
返済額が急激に上がることはなくとも、金利はしっかりと上がっているので、返済額に対する利息の割合は一定ではありません。


■未払い利息
いわゆる「5年ルール」によって支払額は5年間固定されます。しかし、この間に金利が急激に上昇した場合、半年ごとの金利見直しによって支払額を利子が上回ってしまうことがあります。この返済額を上回った利子のことを「未払い利息」と呼びます。
将来的に金利が下がれば未払い分が解消されることもありますが、場合によっては通常の支払いが終わっても利息分のローンが残ってしまうこともあるので注意してください。


■返済プランが変わる
返済額のうち利息が占める割合が大きくなれば、元金がなかなか減らなくなってしまいます。返済額が予定より増えてしまった場合、当初に立てた返済プランを修正しなければなりません。また予定した期間に払いきれずに延長ということになれば、人生設計が変わってしまう可能性があります。


金利が上昇してしまった場合、上記のようなリスクがあります。これから20年30年と長期にわたって返済していくうちに、急激に金利が上がる可能性はゼロとはいえません。
変動金利に向いている人としては「転売などの短期で売却を考えている人」や「ローンを15年以内に返せる人」、また「繰り上げ返済ができる人」などが挙げられます。返済額が増えたら生活が圧迫されてしまうという場合はあまりおすすめできません。


変動金利の今後はどうなる?

変動金利は、上記で説明したように日銀による金融政策に大きく影響されます。単純に景気の動向と連動するわけではありません。とはいえ、変動金利の金利上昇リスクの要因はある程度特定できます。


例えば、物価の上昇にともなう預金金利の上昇などがもっともわかりやすい例でしょう。ただし、これは好景気による場合と、インフレによる場合が考えられます。好景気によるゆるやかな物価上昇では、金利上昇にともなって借主の収入も増え、返済能力も向上するため問題ないと思われますが、単なるインフレの場合は返済負担が大きくなる可能性があります。


また、万一国債が暴落するようなことになれば金利上昇は避けられません。結果的に変動金利も上昇することになると思われます。さらに日銀が政策を変更して政策金利を引き上げれば、やはり変動金利も上昇するでしょう。


近年の変動金利はきわめて低水準にあるため、これ以上変動金利が大幅に下がる可能性は少ないのですが、景気回復が停滞し、日銀がゼロ金利政策を続行することになれば、今後もしばらく低水準は続くでしょう。さらに金融機関間の競争激化により若干の引き下げも期待できるかもしれません。


「固定金利」と「変動金利」のほかにも、当初の一定期間は固定金利で、固定金利期間が終了したあとに固定金利か変動金利かを選択できる「固定金利選択型」や、金利タイプや返済期間の異なるローンを組み合わせる「アンサンブルローン(金利ミックス型)」というプランもあります。投資方法によってはこのようなハイブリッド型のプランも有効です。


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