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2015年首都圏マンション家賃相場動向を読む

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首都圏賃貸マンションの家賃相場は「二極化が広がっている」と言われます。実際にはどのような二極化が広がっているのでしょうか。各種不動産市場調査データから二極化の実態を探ってみました。

変貌する二極化の質

<不動産流通推進センター>

不動産流通推進センターの『2015 不動産業統計集(9月期改訂版)』の「不動産賃貸編」によれば、2013年末の賃貸住宅は「民営借家」が1458万戸、「公営・都市再生機構・公社借家」が281万戸で合計1739万戸に達しています。世帯数が5641万世帯(総務省統計/2015年1月現在)なので3.9世帯に1世帯の割合で民営の賃貸住宅に住んでいる状況です。

1983年の1113万戸(民営と公営等合計)と比べると、この30年間で36%も増加しています。

2013年の全住宅ストック数に占める賃貸住宅の比率は33.4%(民営28.0%、公営等5.4%)になっています。こちらは1983年以降の推移を見ると、公営等が減少傾向にあるのに対し、民営はほぼ横這い傾向を示しています。

また、2015年3月現在の首都圏賃貸マンションの平均家賃相場は、ワンルームマンションが7.2万円、1LDK-2DKが10.8万円、2LDK-3DKが13.4万円となっています。


一方、2006年3月から2015年3月までの家賃変動率(最安値と最高値の標準偏差)推移をタイプ別に見ると、


  • ●ワンルームマンションは2006年3月をピークに下落傾向を続けながら2009年9月に底を打って上昇傾向に転じ、2014年9月にピークに達し2015年3月は再び下落傾向
  • ●1LDK-2DKは2006年3月をボトムに上昇傾向と下落傾向を繰り返しながら2014年9月以降は上昇傾向
  • ●2LDK-3DKは2006年3月をピークに2011年9月まで下落傾向を示し、以降は上昇傾向

――などの曲線を描いています。

これを見ると、ワンルームマンションの最安値と最高値の変動が大きく、「家賃が高いワンルームマンションと低いワンルームマンション」の差が広がる二極化現象が見られます。


<東京カンテイ>

東京カンテイの『三大都市圏・主要都市別/分譲マンション賃料月別推移(2015年10月)』によれば、2015年10月現在の首都圏分譲マンション賃料(平米単価)は前年同月比3.0%増の2681円で、2015年5月に記録した直近1年間の最高値(2656円)を上回りました。

都県別では東京都が前年同月比2.7%増の3184円、神奈川県が同0.7%増の2020円、埼玉県が同2.3%減の1594円、千葉県が0.8%増の1555円でした。

これを東京都と神奈川県とで比較すると1164円の差ですが、東京都と埼玉県・千葉県平均(1575円)と比較すると差は1609円に拡大します。

また、2009年1月から2015年7月までの賃料推移を見ると、首都圏全体ではほぼ横這いですが、都県別では東京都と神奈川県が微増傾向、千葉県が横這い傾向、埼玉県が微減傾向を示しています。

さらに主要都市別の同上賃料推移を見ると、東京23区と横浜市が横這い傾向、さいたま市と千葉市が下落傾向を示しています。

東京カンテイの調査データからは、エリア間の二極化現象が見られます。

モザイク模様化が進む二極化

エリア間の二極化現象は、同じく東京カンテイの『三大都市圏 行政区別中古マンション価格&上昇度合いの推移』を見ると、より鮮明になります。

同調査は、不動産バブル期の1998~2008年の各年における各行政区での中古マンション坪単価の最安値を100とした場合の2015年現在の平均価格指数を割り出し、中古マンションの価格動向を俯瞰的に分析したものです。


それによると、2015年現在の首都圏の行政区別中古マンション価格は、東京23区では全域的に上昇傾向を示しています。中でも「前回のバブル超え」状態を示す価格指数「140超」の行政区が都心6区とその周辺区に広がっています。

特に千代田区(価格指数184)、港区(同185)などの都心3区、2020年開催の東京五輪のメイン会場となる予定の江東区(同169)での価格高騰が突出しています。また、「住みたい街」人気が高い吉祥寺を擁する武蔵野市(同144)、タワーマンションの開発ラッシュにより変貌した川崎市中原区(同159)、リニア中央新幹線の停車駅周辺で都市再開発が進む相模原市緑区(同140)などでも価格が大幅に上昇しています。

その一方で、東京市部と周辺3県の大半では価格上昇が小幅にとどまっており、周辺3県の13行政区の価格指数は100を割り込んだままです。

これまでは都心部(東京23区)と東京市部・周辺3県の価格二極化が指摘されてきましたが、同調査により都心部でも都心6区とその周辺エリアの価格差が顕在化し、さらにそれが加速している状況が明らかになりました。

この状況は首都圏だけではなく近畿圏、中京圏など他の大都市圏でも見られます。


また、2015年現在の行政区別中古マンション流通価格(坪単価)ランキングは、1位の千代田区(391.1万円)、2位の港区(374.7万円)、3位の渋谷区(329.7万円)までが坪単価300万円超となり、上位10位までを都心6区を始めとする東京23区の行政区が独占しました。

上位11~20位には東京23区の行政区のほかに武蔵野市、三鷹市、川崎市中原区など東京市部と神奈川県の行政区が顔を並べています。

これを2008年のランキングと比較すると、上位10位まではほとんど変化なし状態ですが、上位11~20位になると、武蔵野市が13位から11位へ上昇、江東区が17位から14位へ上昇したほか、川崎市中原区が18位から12位へ躍進しています。


二極化は従来の「○○沿線vs.○○沿線」、「都心vs.郊外」などのフレーズで説明されてきました。

しかし現在のそれは従来の単純な二極化ではなく、「人気の高い街と、その周辺エリア」、「大規模都市再開発が進んでいるエリアと、その周辺」などが複雑に入り交じるモザイク模様の二極化が進行しているようです。

また、二極化は従来の「大都市部とその周辺」の「二極化水平拡散」ではなく、都内23区、横浜市といった中規模エリアでの「賃貸マンション需要が高いエリアと低いエリア」、「家賃収入が高いマンションと低いマンション」など、エリア内の格差が拡大する「二極化垂直拡大」傾向も見られます。


極端なケースでは「道1本を隔てて入居待ちの行列ができるマンションと、風俗関係の店が出店した影響で空室が増え続けるマンションが見られる状況も発生している」(不動産業界関係者)と言います。

したがって不動産投資においては、用途地域の調査を含め綿密なエリアマーケティングがますます重要になっているようです。

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