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なぜ個人投資家は不動産投資のリスクコントロールに失敗するのか?

システムマネジメントチーム 舟山 勲

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投資にリスクは付き物です。「投資は自己責任で」と言われるゆえんです。
不動産投資に関してもさまざまなリスクが指摘されています。このため、不動産投資のリスク対策に関する論議も盛んで、リスク対策については多数の解説書が出版され、不動産投資関連のセミナーでも主要テーマの1つになっています。それでも「解説書とセミナーで十二分に不動産投資の何たるかを勉強し、リスク対策も万全だったはずなのに投資に失敗した」と言う個人投資家が後を絶ちません。
アクティスコーポレーションのコンサルタントとして現場で数多くの投資相談に対応しているアセットマネージャーの細田が、その理由について解説します。

間違いだらけの不動産投資リスク対策

――書籍やセミナーで不動産投資のリスク対策が盛んに論じられていますが、不動産投資の失敗例がなくなりません。何が原因なのでしょうか?
不動産投資のリスクを羅列すると、物件購入リスク、空室リスク、家賃下落リスクと、それこそ何十項目にも上ります。でもこれらを体系的に大別すると、「運用中のリスク」と「売却時のリスク」のたった2つに絞られます。
この2つのリスクを物件購入時点でマネジメントできているかどうかが、不動産投資の成功と失敗の分かれ道と言えます。


――例えば空室リスクに関して、ある解説書では立地、商品力、営業力を数式化してそれぞれのリスク対策を解説しています。 このような対策は、あまり効果がないのでしょうか?
たぶん効果がないと思います。
空室の原因はさまざまであり、統一的な「算式」で対策できないからです。それと、大半の解説書は「リスクコントロール」に触れていないのが問題だと思います。
リスク対策の根本は、千差万別のリスク要因をいかにコントロールするかにあるのです。
そして株式投資、商品先物投資などさまざまな投資商品の中で、不動産投資は最もリスクが低いと言われる理由は、リスクコントロールがしやすいところにあるのです。
物件購入時点で、運用中と売却時の両方を見据えたリスクコントロールができていれば、天災・風水害・火災などの予測不能なケースを除き、大半のリスクは回避できるものなのです。


――リスクはそれほど恐れるものではないということですね?
はい。不動産投資のリスクは、基本的に「リスク認識 → リスク評価(可視化) → リスクマネジメント」のプロセスを経ることでコントロールできます。
ところが基本には触れず、「こんなリスク(現象)には、この対策が有効」と、発生した現象の対症療法的な論議をしているのが実情だと思います。


――リスクの認識や評価ができないこと自体がリスクなわけですね。では、個人投資家はなぜリスク認識ができないのでしょうか?
要は「こんなはずじゃなかった」に尽きると思います。
例えば運用中の場合なら、家賃の下落、空室・滞納率の上昇、問題入居者による柱・壁・住宅設備の故意毀損、金利上昇などのリスクがあります。
こうしたリスクに対する認識・評価・マネジメントをしていないから、リスクが表面化したときには手の打ちようがなくなり、「想定外だった」「こんなはずじゃなかった」になるのです。
家賃下落、空室・滞納率上昇に関しては賃貸需要に対する認識不足、当該物件立地のエリア特性に対する認識不足などがリスク発生要因になります。問題入居者に関しては入居審査の適・不適がリスク発生要因になると思います。
また金利上昇に関しては、さまざまな外的要因が複雑に絡んだ市場変動リスクの1つなので、発生原因の特定は不可能と言えます。
それでも、金利上昇が発生した時点で運用物件の中間分析と収益シミュレーションを即座に行い、適切なリスクマネジメントを行えば有効性の高いリスク回避ができます。

個人投資家がリスク評価を「できない」理由

――では、リスク評価ができない理由は何でしょうか?
リスク評価の前提は適切な市場調査になります。個人投資家様の場合は、これが結構難しいと思います。


――そうですね。個人投資家の市場調査手段というと、不動産情報ポータルサイトで駅別・路線別の賃料相場を見る程度しかありませんものね。御社ではどんな市場調査をしているのですか?
当社の場合はレインズなどの成約事例から、まずエリアごとの賃貸物件の需給動向を調べます。
1Kなどの単身者向けと2LDK以上のファミリー向けに分類するだけでも、エリアごとのリアルな需給動向が把握できます。
次に当社の自社管理物件蓄積データと、レインズなどの物件成約データをすり合わせ、過去と現在の物件需給分析をします。これだけでエリアと個別物件ごとにかなり確率の高い需給予測ができます。


――それは御社が投資物件管理会社でもあり、間取り、設備など自社管理物件のきめ細かいデータ収集と蓄積をしているからこそできる調査ですね‥‥?
おっしゃるとおりです。
こうしたデスクワークでリスク評価の市場調査データが不足と判断した場合は、現地調査に入ることもあります。実際に投資候補物件から半径2~4㎞以内の競合物件の状況を1棟ずつ、当社コンサルタントが歩いて見て回るのです。
具体的には競合物件1棟ごとにマンション名、外観、陽当たり、共用設備、住戸数と空室数、グレードなどを視認し、それを当社独自の調査票に記入します。
それを持ち帰ってネットなどで競合物件1棟ごとに最寄り駅までの距離、間取り、家賃などの公開物件データを調べ、これらをクロス集計します。
次に空室率が低い、あるいは満室の競合物件と投資候補物件のどこが、何が違うのかを比較分析します。
この現地調査をすれば、例えば「デスクワーク調査では『2DKの投資候補物件の空室率が高くて競合物件の空室率は低い』の結果であっても、現地調査をすると『競合物件の2DKの空室率も高かった。しかし競合物件の1LDKは満室だった」などが明らかになります。


――そこまでの手間暇をかけた市場調査をしないと、リスク評価ができないのでしょうか?
リスクの発生要因はさまざまです。当社はリスク発生の可能性がある要因はすべて調べ尽くさなければ、的確なリスク評価はできないと考えています。
それはさておき、こうした市場調査に基づくリスク評価により、例えば家賃を下げなければ空室が埋まらない場合は、どこまで家賃を下げられるかの収益シミュレーションを行い、赤字にならないぎりぎりの範囲で下げ幅を設定する。こうした堅実な下げ幅設定をしておけば、「こんなはずじゃなかった」事態が避けられ、家賃下落リスクや空室リスクを回避できます。


――それがリスクマネジメントの意味ですね?
はい。リスクマネジメントの本質は「各種要因による不測の損害を、最小のコストで効果的に極小化するための経営管理手法」ですので、不動産投資のリスクマネジメントもここまでやるのは当然だと思います。


リスクマネジメントには専門的知見と経験が必要

――売却時のリスクマネジメントはどうなのでしょうか?
基本は運用中のリスクマネジメントと変わりません。
違いといえば、運用中のリスクマネジメントでは、市場調査により運用中の物件がどの程度の実勢価格で売却できるかを常時把握しておくことと、運用実績とリアルな市況データとの乖離がどの程度なのかを常時把握しておくことが重要になります。


――「この価格なら売れるだろう」の希望的観測はNGですね?
当然です。適切なリスクマネジメントをしていれば、例えば現在運用中の物件を5年後に売却するとすれば、その物件と同じ間取り、同じ構造の築5年の類似物件が現在いくらで売れているのかを調べ、それに市況変動係数を加味して売却価格を想定すれば、多少のずれはあってもかなり的確な売却価格設定が容易にできます。


――今のお話で、不動産投資におけるリスク対策とは、現象に対する策ではなく、リスクの認識と評価、そしてリスクマネジメントに基づいたリスクコントロールであることが良く分かりました。すると、これは個人投資家が「解説書を読みました、セミナーを受講しました」のレベルでできるものではありませんね‥‥?
個人投資家様が実行するのは難しいと思います。
例えばリスク回避をしようとすると、アセットマネジメントとプロパティマネジメントの両方を検討しなければ有効な回避策は発見できません。
投資物件管理会社の場合は、当該エリアのマーケティングや収益シミュレーションはできますが、投資物件の選定と購入、出口戦略策定などのアセットマネジメント能力を持っている会社は稀です。
一方、投資物件売買をしている仲介会社の場合は、そもそも物件取引が本来業務なので、アセットマネジメントやプロパティマネジメントの知見も経験もほとんどないといっても良いと思います。
ところが当社の場合は、両方の業務を主たる業務にしています。


――それが的確なリスク回避策を投資家にアドバイスできる御社の事業インフラですね‥‥?
はい。リスクマネジメントができれば、リスクそのものが想定内の変動要素になります。それが不動産投資は「リスクコントロールがしやすい」と言われる理由でもあります。


――今までお話を伺って、健全な不動産投資市場育成と個人投資家を保護する観点からも、御社のようなリスクマネジメントのプロの社会的役割の重要性が増しているような気がします。本日は貴重なお話をありがとうございました。


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PROFILE
舟山 勲
2012年12月にアクティスコーポレーション代表取締役に就任。現在はシステムマネジメントチームのマネージャーも務める。
実需の賃貸仲介営業から売買仲介、注文建築、大型宅地開発、リノベーションなどにも数多く着手し住宅業界の全貌を知る。そして不動産投資業界に移籍し、投資理論を基本に『問題解決』を提供するべく、機関投資家、個人投資家に対して戦略的投資設計のアドバイスを提供している。
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